【HSP】考えすぎ、周りの意見に流されることがなくなる「コップの水理論」
こんにちは。臨床心理士の廣瀬です。
あなたは「コップの水理論」をご存じでしょうか?
コップの水理論について学ぶことで、HSPさんに多い
- 本当に些細な出来事なのに考えすぎてしまう
- 自分の意見が持てず、周りの意見に流されてしまう
といったことの改善に非常に役立ちます。
今回は、心理学の視点から、このコップの水理論について解説していきたいと思います。
目次
考えすぎ、周りに流されることがなくなるコップの水理論とは?
コップの水理論とは、もともとは経営学者のドラッガー先生が説いた経営理論の一つ。
コップに半分の水が入っているという事実に対して、「半分しかない」というネガティブな視点が「まだ半分もある」というポジティブな視点に変わるとイノベーションが生まれるというお話です。
コップの水理論は、臨床心理学、カウンセリングの中でも、気持ちを楽にする目的で用いられるのですが、経営学の場合とは少し意味合いが違ってきます。
カウンセリングの視点では、「半分しかない」「半分もある」のどちらも正解になる可能性があります
また、「何も思わない」「どっちだっていい」などの考えが正しい場合もあります。
理由は、コップが置かれている状況、見る人の価値観などによって、適切な答えが違うから。
そのため、
「本当に些細な出来事なのに考えすぎてしまう」
「自分の意見が持てず、周りの意見に流されてしまう」
といった場合には、まず状況を把握し、整理することが重要となります。
些細なことでも考えすぎてしまうときは?
そのような方は、気になる出来事の背景について様々な角度から検討してみましょう。
客観的事実とネガティブに偏った視点とのズレが修正され、気持ちが楽になります。
もし、干ばつが起きていて、水がどこにもないとしたら
ここからは、コップに入った半分の水を題材に、物事の捉え方・考え方についてお話していきます。
もし半分の水が入ったコップの置かれている背景に、干ばつが起きて、深刻な水不足に陥っている状況があったとしたら...
「半分も水がある」よりも「半分しか水がない」と思った方が、慎重に行動するようになるため、今後も安全に生活できる可能性が高いですよね。
無理に「半分もある」と思っても、本心ではそう思えずに辛くなるだけなので、この状況では、少しネガティブに物事を捉えていた方がいいかもしれません。
逆に、水に困っていなかったら
先程とは反対に、干ばつとは無縁な場所で、水は冷蔵庫に何本もある状況であれば、
別に少ないなどと思わなくてもよいでしょう。
この状況で「非常に少ない」と思い、不安で色々と考えすぎてしまうのであれば、コップに入った水の量だけに視点が傾いている場合が多いです。
こういうときは、「コップの置かれている状況」「水の手の入りやすさ」「今後の状況の変化」など、視野を広げられるように練習してみるといいです。
徐々に今まで見えてこなかった視点に気づけるようになり、実際はそんなに深刻ではなかったことに気づき、心の底から不安がやわらいでいきます。
前提を疑ってみることも大切
半分の水が入ったコップの置かれている背景だけでなく、
この水の使用用途は本当に飲むため?
そもそも私にとって、水のことについて考える意味があるのか?
といったことについても疑ってみることが大切です。
疑ってみることで、これまでとは違った視点が生まれ、隠れていた大切なものが見えてきたりします。
もし、この水が、絵具を薄めるためのものだったら、実は消毒用アルコールだったら。
もしくは、実は、数少ない大切な人から送られてきたグラスのコップだったとしたら、
水の量なんてどうでもよくなってくると思います。
他の悩み事も同じ
些細な出来事を色々と考えすぎてしまっても、周りに流されてしまっても、
その出来事の背景について様々な視点から捉えられるように練習すると、
自然と大切なものに気づけ、不安、考えすぎることがなくなっていきます。
例えば、夜一人で家にいるとき、
「友達へのメールの返信、気づかなくて少し遅くなっちゃったけど大丈夫だったかな?」と悩んでしまった場合。
「遅れた時間」「メールの緊急性」「私が相手だったらどう思うか?」「これまでの友達との関係を考慮すると、遅れたことを気に留めるだろうか?」「他の人だったらいつでも完璧な時間にメールを返すだろうか?」
などあらゆる視点から、思いを巡らせてみたとします。
そうすると、
「誰でもメールが少しくらい遅れることはある」
「気づかなかったんだから仕方がなかった」など、
これまで見えてこなかったポジティブなことに気づけて、心の底から「大丈夫だ」と思えて気持ちが楽になっていきます。
まとめ:コップの水理論から言えること
半分の水が入ったコップのお話から言えることは、
「些細な出来事などで、不安で色々と考えすぎて、つらい気持ちになってしまう。
そんなとき、出来事の背景について様々な視点から検討する練習をしてみる。
そうすることで隠れていた大切なもの、物事の本質に気づけ、不安で考えすぎることが少なくなる」
ということです。
当カウンセリングルームでは、HSP向けのカウンセリングも行っています。
気になる方は、お気楽にご相談ください。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。