HSPの人が苦手なことは?5つの苦手を克服する方法
生まれつき繊細で感受性が高い「HSP」の方は、「女性に多い」「若い人に多い」と言われますが、性別だけではなく、人種や年齢にも左右されないと言われています。
「なんだか気疲れするな」「考えすぎてしまうな」というように、心が疲れやすいHSPの方が苦手なことが5つありますが、ちゃんと対処法が存在しています。
今回は、HSPの方が苦手なことを5つとその対処法をご紹介いたします。
目次
HSPの方が苦手な5つのこと
HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)は、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱した心理学的概念のことで、全人口の15〜20%、約5人に1人の割合でHSPの方が居ると言われています。
HSPを抱える方は、「DOES」と呼ばれる4つの性質をそれぞれ抱えているので、苦手なことがあります。
- D(Depth of Processing)…深く処理する
- O(Overstimulation)…過剰に刺激を受ける
- E(Emotional response and empathy)…全体的に感情の反応が強く、共感力が強い
- S(Sensitivity to Subtleties)…些細な刺激を察知する
ここからは、上記4つの特性を持つHSPの方が抱える苦手なことを、5つご紹介いたします。
1. 多すぎる刺激や情報
HSPの方が苦手なことひとつ目は、多すぎる情報です。
HSPの方は、外部からの刺激や情報に対して過剰に反応してしまうので、多すぎる刺激や情報は心を疲れさせてしまいます。
例えば、重大な事件が起こり、その詳細がSNS上で拡散されてしまったとすると、HSPの方がいつも通りSNSを利用していただけでも、非常に多くの刺激と情報を受け取ってしまいます。
こうなると心が非常に疲れてしまうので、この場合はSNSを見ないようにしてデジタルデトックスをするようにしましょう。
2. 落ち着かない場所・保てないパーソナルスペース
HSPの方が苦手なこと2つ目は、落ち着かない場所や保てないパーソナルスペースです。
前述したように、HSPの方は多過ぎる情報で心が非常に疲れてしまいやすいです。
そのため、例えば人で混み合う商業施設やテーマパーク、駅などは苦手な場所で、目や耳など五感で多くの情報を受け取ってしまいます。
また、心を落ち着かせる場所を自由に使えないというのも、心を追い詰めてしまう原因になってしまいます。
そのため、HSPの方が落ち着かない場所へ行かなければならないときは、イヤホンやサングラスなどで刺激を少しでも減らすようにして、心が疲れたら落ち着ける場所に“逃げる”ようにしましょう。
3. 人間関係
HSPの方が苦手なこと3つ目は、人間関係です。
HSPの方は非常に感受性が高く、相手の気持ちを考えすぎてしまうので、相手の一挙一動で気持ちがジェットコースターのようにアップダウンします。
自分より相手のことを最優先に考えてしまう他に、1の出来事に対して少なくとも10通りは対処法を考えることもあります。
これは非常に心や脳が疲れてしまうので、HSPの方は一緒に居て疲れる相手とは無理に一緒に居ないようにしましょう。
4. 急な環境変化
HSPの方が苦手なこと4つ目は、急な環境変化です。
ここで言う環境変化とは、引っ越しや進学・就職など大きな環境変化の他に、旅行や久しぶりに友人と遊ぶなども含まれます。
HSPの方は考えを巡らせやすいので、さまざまなトラブルに対して不安や恐怖心を抱きます。
また、外部からの刺激を多く受け取ってしまうので、不慣れな場所の人混みはひときわ苦手です。
この場合、前もって事前に計画を立てて下調べをしておくことや、自分が安心できるように、“万が一”に備えてさまざまな持ち物を用意しておくなどで対処するようにしましょう。
5. マイペース・自分優先
HSPの方が苦手なことの最後は、マイペース・自分を優先させることです。
HSPの方は相手を優先することが多く、相手のペースに巻き込まれてしまい、自分の意見や意思を貫くことが苦手である傾向があります。
そのため、「相手はこう思うだろう」「こうしてほしいだろう」と考えるのをやめるようにしましょう。
また、「こうすべきだったかもしれない」と感じたときは、意外にも相手はあなたに対して何も不満を感じていないことが多いので、「まぁ、いいか」と一線を引いて割り切る心を身につけましょう。
まとめ
HSPは病気や症状ではなく、生まれ持った特性なので治すことはできませんが、少しでも生きやすくすることは可能です。
HSPの方が苦手なことに対して対処法を知っておくことで、少しだけ生きやすくなるかもしれません。
今回ご紹介したHSPの方が苦手なこと5つは、ほんの一部で、個人差がありますが、苦手なことに対してあなたに合った対処方法を見つけてみましょう。
どうしても辛かったら、HSPを専門とするカウンセラーや精神科・心療内科の医師に相談してみるのも良いでしょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。