HSPとは? 臨床心理士がHSPの特徴を解説

☑些細なことを気にし過ぎてしまう
☑相手に必要以上に気を遣ってしまう
☑今日あった出来事について、夜一人でクヨクヨと考えてしまう

これらの特徴に当てはまる方は、もしかするとHSP(highly sensitive person:敏感な人)かもしれません。

いつも細かいところまで気になってしまうと、毎日が大変で疲れますよね。もしかすると、それはあなたの性格の問題ではなく、HSPが関係している可能性があります。

HSPとは、敏感(繊細とも呼ばれる)な人のこと。実は、5人に1人がHSPと言われており、決して珍しくはありません。

今回は、HSPの4つの特徴について解説します。
もしあなたがHSPならば、HSPに合った対処法を取ることで、つらい生活を改善させられるかもしれません。

HSP のことをよく知って、今後の生活に活かしていきましょう。

HSPの特徴

HSPとは、アメリカの心理学者エイレン・アーロン博士が提唱した「生まれつき感覚が敏感で、感受性が豊か」な人のこと。HSPというと、「病気なのか?」と心配される方も多いですが、病気ではなく、生まれもった気質です。

HSPの大きな特徴として、以下の4つが挙げられます。

<HSPの4つの特徴>

1 情報処理が深い(Depth of Processing)

HSPは、周囲の情報を多く取り込めるだけでなく、捉えた情報を深く処理します。例えば人からある言葉をかけられたときに、言葉をそのまま受け取るのではなく、その言葉にあらゆる体験や意味を関連づけて深く理解します。

HSPは作業や頭の回転が遅いと周りから誤解されがちですが、それは情報処理のスピード自体が遅いのではなく、情報を深く処理するのに時間がかかっているから。

他の人よりも処理がゆっくりである代わりに、処理が深いため、他の人が気づけないようなことに気づいたり、新たなひらめきを得たり、新しい視点で物事を考えたりするのが得意です。

実際、私もHSPさんと会っていて、難しい問題に取り組むとき、進行のスピードが遅いように見えて、実は「ゴールにたどり着くには一番早い」そんな印象を受けることがあります。ゆっくり・じっくりと物事を考えている一方で、HSPでない人よりも考えが深く洞察力も高いので、有効な解決策を発見しやすく、早く問題を解決できるのでしょう。

情報処理が深いことはHSPの大きなメリットなのです。

2 あらゆる刺激に敏感(Overstimulation)

HSPは、多くの情報が飛び交う中で些細な情報にも気づき、さらにその情報の刺激を強く感じ取ります。

情報量が多すぎて、騒がしい場所や混雑した場所では、2、3時間と過ごしているだけで疲れてしまう人も多いでしょう。

HSPではない人は、HSPが疲れている姿を見て不思議に思うかもしれません。しかし、HSPは他の人が気づかない多くの情報に気づき、さらにその情報を深く処理しています。疲れやすいのは当然のことです。

私も、都会など人が多い場所に行ったとき、情報量が多くガヤガヤした雰囲気に疲れてしまい、「川の流れる静かな森の中に行きたい」と思うことがあります。HSPでない私ですらそうなのですから、HSPさんは本当に大変な思いをしているのだな、とつくづく思います。

3 感情が豊かで共感力が高い(Emotional Reactivity and high Empathy)

HSPはポジティブ・ネガティブな情報ともに繊細に反応し、気持ちの揺れ動きが大きい傾向にあります。

HSPは、些細なことを気にして、心配性、神経質だと誤解されがちです。しかし、ポジティブな情報もしっかりと捉え、楽しむことができます。

森や湖などの自然に囲まれると幸せな気分になる。また、共感力の高さから友人が仕事で成功した,結婚式したなどと聞くとまるで自分のことのように喜ぶ人もいます。

ある研究では、HSPはそうでない人よりも、喜びを感じる度合いが高いことが分かっています。この特徴をうまく生かせば、非常に充実した生活が過ごせるようになるはずです。

4 他の人が気づけない些細なことにも気づく(Sensitivity to subtleties

HSPは他の人が気づかないような些細なことにも気がつけます。

私がHSPさんのカウンセリングを担当する中での実感としても、HSPのクライアントさんはこの繊細さからか、問題点を整理して新たな視点を発見するまでが早く、カウンセリングの進展も早いように感じます。

また、HSPの多くは、言葉の細かなニュアンスや気持ちなどに気づけるので、相手の気持ちを理解し、共感することが得意です。

情報収集力の高さから環境適応能力も高いため、周りから大切な存在として認知されることも多いでしょう。

※これら4つの特徴は、英語の頭文字をとってDOES(ダス)と呼ばれています。

HSPか気になったら

自分かHSPかどうか気になる方は以下に、精神科医の保坂隆先生が作成したセルフチェックシートがありますので、ぜひ行ってみてください。10分程で簡単にできます。(「敏感すぎる自分の処方箋」保坂隆著 より引用)

 

少しでも当てはまるなら「はい」、まったく当てはまらないと思う場合は「いいえ」を選びます。

1 周囲の微妙な変化にすぐ気づき、空気を敏感に読む

2 相手がどういう気分なのか、気になってしかたがない

3 人にどう思われているか、とても気になる

4 人と話しているとき、つい言葉の裏を考えてしまう

5 人見知りで、初めて知り合った人となかなか慣れない

6 ひとりでいるのが苦手で、誰か頼れる人がいてほしい

7 体を触られるのが苦手

8 人前で仕事をするのは集中できないので苦手

9 おなかがすくと集中できなくなる

10 間違いを指摘されると傷つき、なかなか立ち直れない

11 約束をすると、とても気になって落ち着かない

12 カフェインに敏感で、お茶やコーヒーを飲むと眠れない

13 においや味などの好みが強く、苦手な食べ物も多い

14 忘れ物やミスがないか、何度もチェックするほうだ

15 他人に対して、とても良心的だと思う

16 ちょっとしたことにも、すごくびっくりする

17 大きな音がとても苦手

18 明るい光や交通音、時計の針の音が気になって眠れないことが多い

19 動揺してしまうような状況をなるべく避けている

20 想像力が豊かで、空想にふけることが多いと思う

21 美術や音楽が大好きで、人より感動するほうだ

22 勘がいいほうだ

23 痛みに敏感

24 暴力的、残酷なシーンのある映画やテレビは見ない

25 短い時間に多くのことを同時にするのは苦手

26 生活に変化があると混乱し、落ち着くまで時間がかかる

27 人前で話すのが苦手でプレゼンテーションなどで緊張する

28 肩こりや頭痛をよく感じる

29 ストレスで胃が痛くなることがある

30 子どものころに、親や教師から「内気」「神経質」といわれていた

結果の見方

15以上の項目に「はい」がついた方はおそらくHSPと言えるでしょう。
また、「はい」が10から19であっても、その度合いが非常に強ければHSPの可能性があります。
※こちらは簡易質問紙なので、この質問紙の結果すべてがあなたの特徴を反映しているわけではありませんので、あくまでも参考程度にしていただけたらと思います。

まとめ

今回はHSPの4つの特徴(「あらゆる刺激に敏感」「情報処理が深い」「気持ちの反応が豊か」「他の人が気づけない些細なことにも気づく」)についてお話ししました。

いくつか当てはまった特徴はあったでしょうか?

当てはまったとしたら、その特徴に関連する強みを探してみましょう。きっと、HSPの悪いところばかりではく、良いところも見つかるはずです。

HSPが一因してつらい思いをしている場合は、カウンセリングで改善させるのもおすすめです。カウンセリングを受けることで、これまで見つけられなかったポジティブな側面に気づけた、自分らしい生き方が見つけられた、という方も多いです。

HSPでお悩みの方は、ぜひオンラインカウンセリングでご相談ください。

 

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※はじめての方は初回カウンセリングをお申込みください。
※初回はオンラインでカウンセリングを行っています。Zoom・Skype・Line通話でのカウンセリングが可能です。
※初回カウセリングでは、現在のあなたの状態をお伺いして、今後の目標や方針を決めていきます。



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