HSPの4タイプ。HSS型、HSEとは?よくある悩みへの対処法も紹介

こんにちは。心理士のひろせです。

HSP(Highly Sensitive Person:繊細な人)とは、感受性が高く、繊細な人のこと。5人に1人はHSPだと言われており、決して珍しくはありません。
そんなHSPもさらに4つのタイプに分かれることをご存知でしょうか?中には、新しい刺激を好んだり、外向的で人と社交的に接したりと、一見HSPには見えないタイプも。

HSPのタイプによって、抱えやすい悩みの傾向が異なり、解決アプローチも変わってきます。
そのため自分がHSPの中のどのタイプに当てはまり、どんな特徴を持つのか、自分らしさを知ることが大切です。

今回は、HSPの4つのタイプについて解説した後、HSPが抱えやすい悩みについての対処法をご紹介します。

■HSP、4つのタイプとは

HSPは気質の組み合わせによって、さらに4つのタイプに分類されます。

それでは、4タイプそれぞれについて詳しく解説していきます。

●内向型HSP

内向型HSPは最も一般的なHSPで、HSPの約7割がこのタイプに属しています。内向型HSPの特徴は、他3つのタイプにも含まれており、HSPの基盤ともなっています。

内向型HSPさんは、さまざまな刺激や情報に敏感で、周りが気づかない些細なことにも気がつきます。さらに、一つの物事に対して深く考え、様々な思いを巡らせます。

また、隠れたリスクにも気づきやすいため、衝動的に行動することはほとんどありません。安全性を重視し、慎重にリサーチをした後で、行動することが多いでしょう。

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HSPでない人よりも入念に準備をし、慎重に行動するHSPさんは、周りから信頼される存在と言えるでしょう。

街中など刺激の強い場所では、非常に多くの刺激をキャッチするため、疲れやすいという側面も。多くの内向型HSPさんは静かな場所を好みます。

また、その繊細さゆえに、ネガティブな情報に意識が傾きやすく、不安・心配を抱える人も珍しくありません。

人間関係では、やさしく、共感力が非常に高いため、周りからは好まれる傾向にあります。その反面、相手の気持ちを察して、相手の意向に合わせすぎてしまうこともよくあります。 

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私のところに相談に来られる方の9割以上は、『よくここまで周りに合わせて頑張ってこられたな、大変だっただろうな』と思うくらい、周りを優先してきた人です。

●HSS型HSP(刺激追求型HSP、HSS:High Sensitive Seeking)

HSSとは、アメリカの心理学者であるマービン・ズッカーマンが提唱した概念で、刺激を追い求める傾向のこと。HSS型HSP は、HSPの特徴を持ちつつも好奇心、冒険心が高く、新しい刺激を求めるタイプです。HSPの約30%がこのHSS型だと言われています。

HSS型HSPさんは、旅行が好き、恋愛に積極的、複雑な仕事を好むという人が多いですが、飽きっぽい一面も。

表向きはあたかも繊細さがないような立ち居振る舞いをしますが、実際にはHSPの持つ繊細さから人一倍疲れやすいです。1人になると人が変わったように大人しくなり、今日あった出来事が気になって1人反省会をすることもよくあります。

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私はよくこのようなHSS型HSPさんに会うのですが、夜一人になってから何回も悩み続けるのは本当につらいことだと思います。

●HSE(外向型HSP、HSE:High Sensitive Extrovert)

HSEは内向型HSPと同じ繊細さを持ちつつも、外向的な一面があるHSPのタイプのこと。HSS型とは異なり、強い刺激はあまり求めません。アメリカの心理カウンセラーであるジャクリーン・ストリックランドが提唱した概念です。

HSEさんは人とのコミュニケーションが好きで、社交的に振る舞います。性格は明るく、初対面での交流も苦手ではありません。さらに、チームで何かを企画し、つくり上げることが得意な人もいます。

しかし、些細な言動や行動、出来事にストレスを感じやすいというHSPならではの特徴も忘れてはいけないポイント。
強い刺激が苦手で、何時間も誰かと一緒にいると疲れてしまいます。内向型HSPさんと同様、自分だけの時間を優先することが大切です。

●HSS型HSE(外向的で刺激も求めるHSP)

HSS型HSEは、外向的かつ新たな刺激を求めるタイプで、HSPの中で最も活動的なタイプ。HSEのほとんどは、HSS型とも言われています。
HSS型HSEさんは、好奇心の高さから、リスクを恐れず、衝動的に行動する一面を持ちます。
リーダーシップのある方が多く、コミュニケーションが得意です。
また、多くのHSPは一つの情報を深く処理するためマルチタスクが苦手な傾向にありますが、HSS型HSEさんの中には、マルチタスクが得意な人も存在します。

飽きっぽい一面もあり、会話や仕事内容によってはつまらないと感じることも多々あります。そのため、仕事では、適度に変化が生じ、新しいことに挑戦できる環境が適していると言えるでしょう。

ただし、HSS型HSEさんも、周りの刺激が多いと疲れ切ってしまうところは、他のHSPと同じです。

■HSPの生きづらさを改善させるカギとは?

ここからはHSPさんのよくある悩みについて、その改善策をご紹介します。

人に合わせすぎて疲れてしまう

人間関係で相手の気持ちに合わせすぎてしまい、疲れやすいHSPさん。ぜひ自分の気持ちを周りの人と同じように優先し、大切にしてあげてください。

「やりたいことがある」
「やらなければならないことが残っている」
「疲れているから本当は休みたい」

そのような気持ちがあるときは、相手に合わせず、断ることも重要です。

断ることに苦手意識がある方は、時間や日にちで区切り「この時間は自分のやりたいように過ごす」「誘われても言われても断る」などと決めてみると、断りやすくなります。
また別の方法として、どうすることが最も有益で重要なのかを考えながら物事に優先順位をつける。そして、断る難易度が低いものから徐々に、スモールステップで断ってみると、相手と自分の時間をバランスよくコントロールできるようになりますよ。

HSPさんの共感力と洞察力の高さから、相手の気持ちを汲み取り「相手にとってはこうした方が本当はいいんだろうな」という気持ちがわいてくるでしょうが、自分のことも大切にしてあげましょう。

1、2回断ってみると、「意外に平気だった」「自分の時間があると楽」「多少渋い顔はされたけど、関係は悪くならなかった」なんて事実に気づくでしょう。

 

些細なことを気にして、くよくよ考え続けてしまう...

「小さなミス」「思うように物事がうまく進まなかった」「自分の気持ちが伝えられなかった」など、些細なことを気にして、ずっと考え続けてしまうHSPさん。
感受性の高さから、物事のネガティブな視点に注目し過ぎて自分を責めてしまうことが主な原因です。

「どうしてあんなことをしてしまったんだろう」「私って能力がないのかなぁ~」と悩んで落ち込んでしまうときは、あえていつもとは違う悩み方をしてみると気持ちが楽になることが多いです。

まずは悩んでいる出来事について
「客観的に見てそれほど考え込むようなことなのか?」
「こんなミスをしてしまう人は自分以外にもたくさんいるのでは?」
と、様々な角度から疑ってみましょう。

その他にも、「本当に悩むだけの価値があるのか?」「本当に自分が悪いのか?」など、思いつく限り様々な視点から悩みに対して疑いの目を持って考えると、「あっ、そうだったのか」と新たな気づきが得られ、気持ちが楽になります。

気分屋で理不尽、怒りっぽい上司がいて疲れてしまう

苦手な人が近くにいて生活がつらくなるなんて、本当にイヤですよね。
苦手な上司がすぐ近くにいて、やり取りをしなければならないことが深刻な悩みとなっている場合。対処法として「距離を置こう」とよく言われますが、直属の上司や、1日に何回も接しなければならない関係のときは、現実的に難しいものです。

しかし、苦手な上司が近くにいる場合でも、心理的な距離を置きながら接することで、つらさを軽減し、振り回されないようにすることはできます。

心理的な距離を取るポイントは、「怒られる≠無能」であると気づくこと。

何度も怒られていると、たとえ怒られた理由が理不尽だとしても、自分が悪いように思えてきます。
そうならないために、上司があなたに発した言葉や態度が、客観的に見て妥当かどうか検討してみましょう。

「それって本当に怒るほどのことなのか?」「言われたことは正当と言えるのか?」「上司の態度は建設的か?」「普通の上司であればどう対応するだろうか?」など、様々な角度から検討してみてください。

多角的に検討することで、自然と心理的な距離が置け、相手の雰囲気に飲み込まれなくなり、平常心を保てるようになります。

それが難しそうな人は、本やファイルなどで自然に壁をつくったり、相手に気づかれない範囲で姿勢を3°ほど反対の方向に向けたりするだけでも、気持ちが楽になります。
できるところから、苦手な人と距離を取る練習をしてみましょう。

まとめ

今回はHSPの4つのタイプについてお話しました。
どのタイプにもメリット・デメリットがありますが、どれが良い・悪いということはありません。
そしてもう一つ、HSPは感受性に優れ、とても繊細ですが、それは弱さではないということは、どうぞ忘れないでください。
HSPは自分に合った環境の中では、HSPでない人よりも喜びを感じ、充実感を得られることがわかっています。

もしも悩みを抱えている場合、「今、自分がどんな状態なのか?」よりも「今後どうするのか?どう改善させていくか?(すなわち、未来に対してどういう姿勢でいるか)」が大切です。
あなたをつらくさせているものにうまく対処できるようになれば、自分らしい生活が送れるようになるはずです。

当カウンセリングルームでは、HSP、不安障害、うつなどを対象としたオンラインカウンセリングをおこなっています。1人で悩みを抱え込まず、カウンセリングで問題解決能力を高め、悩みを改善させることもおすすめです。

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※初回カウセリングでは、現在のあなたの状態をお伺いして、今後の目標や方針を決めていきます。



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