【アダルトチルドレンの試し行動を辞めるには】まずは気づくこと
「試し行動を辞めたくても辞められない」
「試し行動が過ぎていつも人間関係を深められない」
「試し行動をとってしまう自分がますます嫌いになる」
試し行動で悩むアダルトチルドレンは少なくありません。試し行動を辞めるには、まず機能不全家庭で育ってきた中で、生き辛さの原因になった特徴のひとつだと理解することから始まります。
「アダルトチルドレンの試し行動の原因とは」で、今まで気づいていなかったけれど、これはじつは試し行動だったのだと気づいたものもあるでしょう。
さらに、試し行動という不毛な行為は機能不全家庭で育った影響だと心から理解すれば、過度に自分を責める必要がなくなります。
次に、これからは家族や他人の世話でなく心置きなく自分の世話に集中していくことが大切です。
全てを自分で負うのでなく、専門家や当事者仲間の力を借りて回復に取り組んでいきましょう。
目次
アダルトチルドレンの試し行動を辞めるには
アダルトチルドレンの試し行動を辞めるには、自分の感情や状況に気づくことが大切です。
感情や状況を客観的に見て、つらい自分をやさしくいたわりまるごと認めてあげましょう。
アダルトチルドレンは適切な愛情を受けて来なかったため、はじめは自分に優しくしたり自分を認めたりすることすらわからないので、支援や回復の場とのつながりが何より大切になります。
自分の感情に正直になる
アダルトチルドレンは自分の感情をありのまま感じることが苦手なため、自覚なく試し行動にでることがしばしばあります。
自分の感情がどうであるかを見るより、相手はどう思っているのか相手の顔色ばかりを見てしまうので嫌われていないか常に不安だからです。
アダルトチルドレンは親に見捨てられないように多くの努力をしてきました。
自分の感情を自覚する間もないまま、親の機嫌取りに一生懸命だったり、寂しくても平気なふりをしたり、いつも自分の気持ちより他人を優先させてきました。
しかし人の健全な在り方は、人の気持ちがどうであるかを考えるより、まず自分の感情を素直に感じることなのだと理解しましょう。
アダルトチルドレンが親に愛されるために自分の感情を抑え続けてきたのは、機能不全家族の中で生き抜くために身に着けてきた回避術です。
もう機能不全家族の影響を受けて生きなくてもいいと気づき、自分の感情を素直に感じていいのだと自分に言い聞かせてください。
子どもの頃から身につけてきた感情を抑える癖はすぐには改善しませんが、ことあるごとに正直になっていいのだよと優しく自分に何度も何度も言ってあげてくださいね。
一人でいても安全だと知る
アダルトチルドレンの試し行動は、見捨てられて一人になってしまう恐怖が原因のひとつです。
子ども時代は一人では生きていけないので、見捨てられることは死を意味しました。
しかし大人になった今は、一人になることは死を意味するのではないと理解しましょう。
一人になると、今度は自分のために時間を多くとれるようになります。
今までしてこなかった自分にやってあげたいことがたくさんあるはずですが、これからはたっぷり時間をかけてあげてください。
今まで常にパートナーのことを考えていたように、これからは常に自分に何をしてあげられるだろうかを考えてあげましょう。
自分は何が好き?何がうれしい?何を快適と感じる?と自分に問いかけて自分の答えを聴きます。答えがでるまで根気よく向き合ってあげてくださいね。
自分で自分を承認する
アダルトチルドレンの試し行動は家庭の中で認められることが少なく、満たされなかった承認欲求がいき過ぎていることも原因です。
そのため他人の承認を得るにはどんな破壊的な行動でもしてしまう傾向があります。
また自分が嫌いなため、嫌いな自分に認められてもうれしくないので過度に他人に求めてしまいます。
承認欲求自体は誰にでもある本能だと認めたうえで、ただ過度な状態だと理解しましょう。
試し行動がでてしまったときも、試し行動をしてしまってダメな自分と自分を責めるのでなく、承認欲求がいきすぎているだけだと捉え、自分を許します。
その積み重ねで、自分で自分を認めることを覚えていくのです。
他人をコントロールしていると気づく
アダルトチルドレンの試し行動とは、自分が何をしても許され愛してもらえるように相手を操っている状態です。
愛されていると自覚し、喜びと感謝に満ちあふれているのではなく、操作してようやく自分の思うような言動を引き出しているのだと気づきましょう。
子どもの頃は家庭の中で安心安全に過ごせなかったので、常に緊張していました。
そのため大人になった今でも人を信用できずに、何かにつけ常態的に疑います。
常に相手の好意も疑わざるを得ず、枯渇した愛情を求める欲求と相まって試し行動が辞められないのです。
試し行動は相手の言動が悪いせいでしてしているのではなく、愛されたいがために自ら相手にふっかけているのだと気づきましょう。
まずは他人をコントロールしていることに気づくのです。
ネガティブな面にばかり焦点を当ててると気づく
アダルトチルドレンは親から非難されてきたので、自分は価値がない人間だと刷り込まれています。
しかし精神的に未熟な親たちは、健全に子どもを褒めたり認めたりするのが怖く、厳しいしつけが正しいと思いこんでいた面があるでしょう。
また、家庭でおこった問題を「おまえがこうだから」と子どものせいにして親の責任の痛みから逃げてきた面もあります。
そのためアダルトチルドレンは、悪い出来事は自分のせいだと思い込こんでいます。
こうして自己評価が著しく低くなり、なにかにつけてネガティブな面にばかり焦点を当てるような生き方をしてきました。
相手からは多くの優しさや愛を与えられていても、わずかなほころびを強引に見つけ出しては、そのほころびの穴を一生懸命広げている状態です。
一枚の布として見た時に、わずかなほころびはわからないほど美しい布であると気づけていないのです。
布に顔を近づけてほころびだけを見るのでなく、一歩引いて自分ごとでなく他人ごとのように俯瞰して見ると本質が見えてきます。
なんでもないことでもわざわざネガティブなことと受け取り、そこに焦点を当て続けているだけだと気づくことが大切です。
愛されていない思いこみばかりを見てしまい、不安が増して試し行動をしているのだと理解しましょう。
人間関係を犠牲者・加害者の目で見ない
アダルトチルドレンは人間関係を最初に学ぶ安心安全なはずの家庭内で、人間関係を加害者・被害者の立場で見ていくことを習得してきました。
そして現在も、人間関係を加害者・被害者で判断し、いつも自分は人生の被害者だと思いこんでいます。
また、世間の被害者の立場にある人を哀れみ、それを愛だと勘違いしてしまいます。
そのため健全な人間関係を築いていくことになると、愛されていないと感じます。
過度に心配してくれるのが愛情、過度に嫉妬してくれるのが愛情だと思い、そうでないと不安になり試し行動をとるのです。
哀れみや同情は健全な愛情ではないと知り、お互いの信頼が愛の基盤だと学んでいく必要があります。
ありのままの自分をさらけ出しても安全な居場所を作る
アダルトチルドレンは嫌われるとわかっていても試し行動をし、結局関係性を壊して「やっぱり私は愛されない」と確認します。
家庭内で愛されていないことが常だったため、心理的な孤立という慣れ親しんだ環境に戻ってしまうのです。
また、誰かと群れるより、孤立していた方がむしろ傷つきも最低限ですむとも考えています。
アダルトチルドレンにとって家庭は安心安全な場所ではなく、自分の感情すら表すことができない不安定な場所でした。
これからはありのままの自分をさらけ出しても安全安全な居場所を持ち、少しずつ自分をさらけ出し受け入れられる体験を重ねて、次第にアダルトチルドレンの影響から自由になっていくのです。
それが自助グループや支援機関、カウンセリングの場になります。
まとめ
アダルトチルドレンの試し行動を辞めるには、機能不全家庭で育ってきたなかで育まれざるを得なかった行動であると理解することが大切です。
満たされなかった愛情を他人で埋めたくて、愛情確認のために試し行動をしてしまいますが、成熟した大人は、愛情を他人で満たそうとはせず自分で満たします。
しかしアダルトチルドレンは子どもの頃から刷り込まれてきた自分への否定により、自分のことが好きではないので、そんな自分から好かれてもうれしくないのです。
さらに、自分を好きになりなさいと言われても、どうすればいいのかがわかりません。
そのため無条件に存在を認められ愛される経験が必要です。自助グループや支援、カウンセリングなどの安心安全な居場所で、ゆっくり愛を学んでいきましょう。
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臨床心理士、公認心理師です。5年以上、都内の心療内科や脳神経内科で、うつ病、不安障害、HSP、アダルトチルドレンなど数多くのカウンセリングを経験してきました。HSPの創始者であるアーロン博士の「HSPに精通した専門家プログラム」を修了しています。